旧・めだか第一研究所

ゆるふわ嗜好×ゆるふわ思考×ゆるふわ試行

映画『ダンス・ウィズ・ミー』はミュージカルではなく盆踊りとして楽しむべきという話

和製ミュージカルこと、映画『ダンス・ウィズ・ミー』を観てきた。大炎上した某ドラクエ映画と異なり、微熱まじりの酷評が聞こえている本作。結論から言うと「楽しかった」のだが、あまり「ミュージカル」を意識しすぎると楽しめないかもしれない。

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ホラーやエログロ以上に苦手な人が多い映画ジャンル、それが「ミュージカル」だと思う。ミュージカルの話になると、三人に一人は「わたしは苦手なんですよね〜」という人間が現れ、お決まりの「唐突に歌いはじめるのが意味不明」という刃が振り下ろされる。ぼくは現実の日常会話も唐突で意味不明だと感じるので、歌うくらいが丁度いいと思うのだが、そう切り返すと大抵は場が凍りつく。

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とはいえ『アナと雪の女王』は大ヒットした。その理由は諸説(ディズニーは例外、TVで激推しされた、歌が流行した等)あるだろうが、個人的には『Let It Go』がコテコテの演歌であることがポイントではないかと考えている。華やかな街を追われた独り身の女性が、雪国の新天地で自分を奮い立たせる歌。その力強さと危うさが、幼い頃より『津軽海峡・冬景色』を聞いてきた我われの心を打ったのではないか。

ミュージカルという舶来の文化を、舶来のまま楽しむ必要はない。本作は歌も踊りもブロードウェイ基準なら不合格かもしれないが、決して下手ではない。スタイル抜群で楽しそうに歌う三吉彩花と、非スタイル抜群だがエネルギッシュに踊るやしろ優のコンビは、見ていて自然と笑みがこぼれる。ダラダラと心理を台詞で説明するシーンもなく、ロードムービーとしてテンポよく進むので、見ていて飽きることもない。

これはミュージカルだなんて構えずに、盆踊りだと楽しめばいい。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損、のスピリットだ。腕を組んで「さてさて、どうですかな」なんて踏ん反り返ってれば、そりゃ何だって楽しくないよ。