めだか第一研究所

ゆるふわ嗜好×ゆるふわ思考×ゆるふわ試行

エースコンバット最新作が装甲騎兵ボトムズすぎて異能生存体の孤独を味わったという話

コックピットの内部まで徹底的に再現された戦闘機が、四次元空間から数十発のミサイルを召喚してバカスカ撃ちまくり、あらゆる敵兵器を灰燼に帰しながら優雅にトンネルを潜り抜ける。そんな"超本格的ヒコーキごっこ"が楽しめるエースコンバット・シリーズの最新作「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」が発売された。

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12年ぶりのナンバリングタイトルであり、最新のグラフィックに加えてVRモードも搭載。コレクターズエディションには、過去作の歴史を記したフルカラーのブックレットが付属している。

気づいたときには撃墜されていて、俺はあの核の爆心地でコントローラーを握ってたんだ。

知ってるか? 初期に選べる難易度は3つに分けられる。はじめて遊ぶヒヨッコのためのEASY、標準的な難易度のNORMAL、普通じゃねぇ難易度を求める奴が飛びつくHARD。俺は――

NORMALを選び、地獄をみた。すげえ難しい。今作マジで難しい。10年ほどブランクがあるとはいえ、これまで4と5とZEROは全ミッションACEでSランク取得してきたのに、ボコスカ落ちるし落とされる。

でも俺はNORMALでプレイし続けた。世界に難易度なんて必要ないかもしれない。でも無くすだけで変わるんだろうか。確かめたかったんだ、NORMALの意味を。

そして、なんとかクリアして、ようやく気づいた。これは従来のエースコンバットではない。今作は装甲騎兵ボトムズなのだ。

以下ややネタバレ注意。

今作の主人公トリガーは、様々な部隊を渡り歩いて名を上げていく。オーシア国防空軍では、第508戦術戦闘飛行隊メイジの2番機、第444航空基地飛行隊スペアの15番機、第124戦術戦闘飛行隊ストライダーの1番機、そして最後は国境なきパイロットとして戦争を終結に導く。メイジ隊では一兵卒でありながら世界を揺るがす大事件に巻き込まれ、流れ着いたスペア隊では懲罰兵としてならず者と共同戦線。ストライダー隊では荒廃した世界のサバイバルの果てに宿敵ミスターXとの決闘にケリをつけ、最後は一人の兵士として神なる力をもつ機械生命体との世界を賭けた戦いに勝利する。

おわかりいただけただろうか。運命の女性フィアナと再開したウド編、ジャングルの奥地で傭兵たちとともに泥沼の戦争を繰り広げるクメン編、レッドショルダーに灼かれた星でパーフェクトソルジャー・イプシロンとの決着をつけるサンサ編、世界を支配するワイズマンに中指つきたてるクエント編。装甲騎兵ボトムズの主人公キリコ・キュービィーの歩んだ旅路と全く同じである。

そしてボトムズと同じように、ストーリーやキャラクターは懲罰部隊編が一番おもしろい。毎度戦果を過剰申告する2番機カウント、PCに貼られたパスワードを盗み見る情報屋6番機フルバンド、日々是賭博の7番機ハイローラー、THEジャイアンなマッスル懲罰兵8番機チャンプ、まさかの政治犯11番機タブロイド、なんだかんだカウントに言いくるめられる我らがAWACSバンドックなど、愉快な仲間たちが勢揃い。こちらの呼び名が「○○○○○○殺し」なのも痺れる。どう考えても死ぬほかないミッションに駆り出され、愚痴を吐きながらも多大な戦果をあげるが、帰還すると問答無用で命令違反で独房入りという鉄板パターンには毎回わかっているのに笑わされた。あと欺瞞邀撃ってなんだよそれ。

また今作では、味方や僚機がほぼ役にたたないのだが、これも懲罰部隊の設定にあっている。ミッション中、敵はほぼ自機を狙ってくるし、味方はほとんど敵機を落とさない。4への先祖返りとも言えるけど、5のラーズグリーズ小隊の皆さんや、ZEROのピクシーの働きに慣れてしまうと、どうしてもポロ(あの馬に乗ってやるやつ)やってんじゃねーんだぞと叫びたくなる。だが懲罰部隊だと考えればやむなし。お前もっ! お前もっ! お前もっ! 俺の為に死ねっ!

(脇道なのに)断トツで懲罰部隊の設定とキャラが立っているため、本筋はすこし物足りなく思える。ストーリーで描かれる以上に、血肉の通う戦闘機や地上部隊より、自然現象やUAV(Unmanned aerial vehicle)との戦いだった。4つの部隊を渡り歩くわりに、ミッション数は20程度なので、さほど仲間キャラに感情移入できない。ミハイおじいちゃんもそんなに因縁に思えないし、あんまりヨイショされてもエース感がないし、むしろドライな懲罰部隊との離別のほうが心にくるものがある。

人間同士の(対等な)生命のやり取りではなく、ただ鉄の棺桶に乗り込んで、生存確率の極めて低い作戦に赴く。もちろん誰も助けてくれないが、たまに流れ弾で死ぬ。だがトリガーは死なない。

今作のエースは、たぶん歴代のどのエースより人間離れしているけど、いちばん人間味がない。

そんなことを考えながら、徹夜でクリアした朝方にVRモードを試してみて、度肝を抜かれた。スゲー。これはスゲーよ。キャノピーを見上げながらロールするのが、こんなに楽しいとは思わなんだ。正直ナメてました。スゲー。なにがスゲーかといえば、エアコンバットしていたら秒でゲー吐いたことですね。やはり歴代エースは人間じゃない。