めだか第一研究所

ゆるふわ嗜好×ゆるふわ思考×ゆるふわ試行

宇宙よりも遠い場所 #転詞

南極が宇宙よりも遠いなんて、どうにも腑に落ちない。だけど現実は不思議なもので、その距離にはケタ違いの差がある。地表から宇宙までは約100キロメートルであるのに対し、なんと日本から南極までは約10,000キロメートルもあるのだ。

さて、ぼくは毎日50キロメートルほど離れたオフィスに通勤しているのだけど、同じ比率で考えてみると、500メートル上空が宇宙ということになる。東京タワー333メートルよりは遠くて、スカイツリー634メートルよりは近い。なんだよ意外と近いなぁと思う半面、いくら手を伸ばしても東京タワーにすら届くことはない。一方、足を動かし続けていれば、距離にして100倍のオフィスには辿り着く。

距離という尺度は、シンプルゆえに様々な次元で用いられる。だけど距離は必ずしも遠近を意味するわけではない。南極が宇宙よりも遠いなんて思えないみたいに、心の距離も歩き方も無数にあって、それぞれ思うがままであるはずなんだ。

そんなことを思いながら「宇宙よりも遠い場所」の第6話を見て(オイオイ泣いて)いるうち、ふと「宇宙よりも遠い場所」という文字列が”転んだ”。

文字そのまま反転させれば「此処よりも近い何処か」ということになるのだけど、球面上の10,000キロメートルに対する上空100キロメートル、その相似形をグググッと縮めていくと、いつかは始点という位置座標に収束してしまう。その一点こそが「此処」なのだけれど、じゃあ、そこよりも近い場所なんて存在するのだろうか。

その答えは、私という此処に対して「ワタシよりも近い貴方」なんだと思う。心は重なり合うんじゃなくて、ワタシと貴方の距離とは別の、わたしと貴方の距離が生まれるだけなのだ。そして、その別次元の軸により新たに物語られる関係性が、キャラクターに”奥行き”を与えているんじゃないかな。