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宇宙逃避航海日誌

Space Run A-Weblog

マクギリスはガンダムWの世界の住人だったという話

「アグニカポイント」について書かれたエントリが面白かった。

b.hatena.ne.jp

なるほど。と何度も頷きながら読んだのだけど、マクギリスが本当にアグニカ原理主義だったかというと少し疑問が残る。

僕はマクギリスの軸は2つあると思っていて、1つが「群れてるアイツらを見返す」という陰のエネルギーで、もう1つは「絶大なチカラを行使したい(パワー最高)」という陽のエネルギーだ。だから、アグニカ信者というのはモチロンそうなのだけど、ではアグニカ・カイエルの英雄譚が「最後はセブンスターズの友情パワーを集めて怨敵モビルアーマーの首魁を倒しました」という物語であれば、マクギリスという人間は入信しなかったと思うのだ。別にマクギリスは英雄になりたいワケではなくて「ギャラルホルンを追われた俺が、アリアンロッド艦隊の司令を一人で葬る」みたいな状況にエクスタシー感じちゃうだけだと思う。だから、結果としてはアグニカ信者なんだけど、それは単に彼の2つの軸に(彼の思う)アグニカの物語が合致していたにすぎない気がするので、彼をアグニカだけで語るのは違和感がある。まぁ、結局はアグニカの物語が何かわからないと何も言えないんだけど。

じゃあ自分が「アグニカポイント」の代わりに何の指標でマクギリスを表そうかと考えてみると、それは「歌舞伎ポイント」ではないかと思った。歌舞伎みたことないけど。

僕はこれまでのガンダムシリーズの中で『鉄血のオルフェンズ』に一番似ているのは『新機動戦記ガンダムW』だと思っている。オルフェンズは「Vシネガンダム」であり、ガンダムWは「ガンダム歌舞伎」である。両者に共通するのは登場人物が大筋に関係なく「今週この瞬間に一番画面に映える行動をとる」という刹那さで、異なるのは「ガンダムWではカブいたキャラは死なないが、オルフェンズでは普通に死ぬ」という切なさだ。例えば、ガンダムWではボロボロになったデュオくんが単騎で突撃してもで誰も死ぬとは思わないし、むしろ「よっ!ジャンク屋!」と掛け声がかかるワケだが、オルフェンズでシノが特攻したときは誰もが彼の死を理解し日本全土が悲しみに包まれることとなった。

「戦場ではマトモなやつから死んでいくのが常」とは故ヒゲのオジサンの言葉だが、ガンダムWの世界では主要キャラにマトモなやつが一人もいないので基本的に誰も死なない。ガンギマリ連中の中でも飛び抜けてキマっていたトレーズ閣下が「ガンギマリとは異なる=マトモである」という誤った方程式により命を散らせてしまったのはエレガントな事故にすぎない。

そもそもオペレーション・メテオからして狂っている。5機のガンダムだけ(しかも連携していない)で地球に反攻するとか頭がおかしい。ドズル兄貴の言葉を思い出せ。しかもコロニー住民を人質にとられることも想定していなかったし。ガバガバすぎる。

でも、マクギリスはオペレーション・メテオを絶対に気に入ると思うのだ。それこそヨダレを垂らして参加を願い出るはずだ。ゼクスのポジションでも良いから何かしら関わりたいと嘆願するはずだ。

マクギリスはガンダムWの世界に生まれるべきだったのだ。幻の6人目のガンダム乗りとして地球に降り立つべきだったのだ。リリーナ様の招待状を破くことなく受け取り「お前を幸せにする」と囁いてデデン!すべきだったのだ。良くてリーオーしかいない基地を強襲して「フハハハハ!」すべきだったのだ。コロニーが人質にとられたときは自爆して半裸で放り出されて「つづく」となるべきだったのだ。ゼロシステムに取り込まれてガンギマリに磨きをかけるべきだったのだ。ゼクスとの最終決戦で「俺が強者だ!」と叫ぶべきだったのだ。マクギリスはアグニカ・カイエルではなく宇宙の意思を目指すべきだったのだ。

冷静に考えてほしいのだがマクギリスが6人目のガンダムパイロットでも違和感は一切ない。顔もイケメンだし、声もイケメンだし、さわやかガンギマリというキャラはカブっていないし。むしろ何故マクギリスがガンダムWに登場しなかったのか不思議ですらある。

そう、マクギリスは幻の6人目の少年兵だったのだ。だけどハゲの神様(元祖ガンギマリ)の気まぐれで鉄血の世界に飛ばされてしまったのだ。異世界転生モノの流行が今回の悲劇を産んだのだ。流行って怖いね。黙祷。