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宇宙逃避航海日誌

Space Run A-Weblog

最高の最終回でした/アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(49話)の感想

今週のオルフェンズはイオク様の出番がなかった。以上。解散

…というのは冗談で今週のオルフェンズは抜群に面白かった。
…面白かったのだが、特に書くべきこともない、というのは本当である。

今週のマクギリスは最高だった。
それはもう、今迄の全てを帳消しにできるほど素晴らしかった。

確か氷川竜介氏だったと思うが、機動戦士ガンダムの魅力を「子供は背伸びできて、大人は童心に帰れる」と見事に評していたが、その意味で今週のマクギリスはガンダムの主人公だった。

粋がって歌舞いて死んでいく。マクギリス・ファリドは孤独な男のロマンを体現した存在であった。舞うように敵軍を刺し殺すバエルもカッコよかった。繰り返すが今迄の全てを帳消しにできるほど最高だった。

ギャラルホルンを追われた俺が、アリアンロッド艦隊の司令を一人で葬る」

コレに憧れない男子は、多分、人生が上手くいく人だと思う。本心から周囲の人間を思いやれる素晴らしい人だと思う。だけど僕は、その人とは旨い酒が飲めないだろうとも思う。

続くセリフの「その行為が世界を変える」は多分どうでもいい。「ギャラルホルンを追われた俺が、アリアンロッド艦隊の司令を一人で葬る」ってのが大事なのだ。そこが分かる人に説明は要らないし、分からない人には説明しても無駄だと思う。

だから今週は特に書くべきこともないのだ。

…と思っていたが、書き出したら筆が進んだので、もう少しだけ書いてみる。

マクギリスとガエリオは最後まで生きて分かり合うことはなかった。
それは結局のところ、ガエリオは人生が上手くいく人だからだ。

1期のガエリオはマクギリスの上辺だけしか見えていなくて、2期では偽りの本心しか見えていなかった。ガエリオは友人を信じきれず、そして、最後には真実から目を背けた。でも、背けられるからガエリオの人生は上手くいくのだ。

「俺を見ろ」と叫ぶガエリオに対し、マクギリスは「見えていながら見えないフリをしていた」と呟いた。これは最後にマクギリスが見せた孤独で弱い自分の本心だった。

だけど、結局ガエリオはマクギリスのことを受け止めきれなかった。「お前は俺にとって唯一の友人であった」という最後の言葉を、ガエリオは「言うな」と遮り、俯いて目を背け「カルタのために…アインのために…俺は…」と自分を納得させ続けた。

それでもマクギリスは言葉を紡ごうとして、だけど苦々しく飲み込んで、最後に一瞬だけ目に涙を浮かべたのだけど、その姿をガエリオが見ることはなかった。

ようやく顔を上げて「俺は!お前を!」と叫ぶガエリオの前には、物言わぬ屍となったマクギリスの姿しかなかった。ガエリオは最後まで親友の苦しみを直視することはできなかった。最後の最後で目を背けてしまった。

「さらばだ。マクギリス」という言葉のなんと空虚なことだろうか。

マクギリスは「見えていながら見えないフリをしていた」と自分を評したが、ガエリオは最後までマクギリスのことが見えていなかった。そして自分の間違いを認めることができなかった。でも、マクギリスはどうやっても駄目な人だったのだし、実際に自分の周りに彼みたいな人間がいれば、トンデモない奴として処理するしかないのだ。俺は泣いている。

正直もう鉄華団はどうでもいい。今週が最終回でいい。来週は「立ち合いは強く当たって流れでお願いします」でハッピーに終わればいいのではないか。もうクーデリアも火星とかどうでもいいんでしょ。
そんな風に思うのは、きっと、それだけ今週のオルフェンズが素晴らしかったからだ。

…もしかしてイオク様がいなかったから?