宇宙逃避航海日誌

Space Run A-Weblog

ドキ!執行役員だらけのカラオケ大会!/アニソン定額聴き放題サービス「ANiUTa」の記者発表会からみる今後のサービス展開

アニソン専門の定額配信サービスANiUTaがついにリリースされた(2017/03/24)

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本サービスはアニソンレコード会社10社(フライングドッグ、エイベックス・ピクチャーズKADOKAWAサンライズ音楽出版東映アニメーション音楽出版東宝、フロンテイアワークス、ポニーキャニオンマーベラスランティス)が共同で設立した「株式会社アニュータ」により運営されており、有料会員(月額600円)になると5万曲の以上のアニソンが聴き放題になる。
なお、コロムビアソニーミュージックキングレコードの3社は参加していない。

さて、このANiUtaの記者発表会には動画アーカイブがある*1のだがコレが非常に面白かった。ネタ的な面白さもありつつ、アニソン業界の研究としても興味深い1時間であった。以下、「紹介作品からみる記者発表会」と「ココが見所!記者発表会!」の2つの切り口で記者発表会を紹介し、最後に「来月あたりにコロムビアソニーミュージックキングレコードの3社も(部分的に)参画するのでは」という観点から本サービスの今後の展開を予想する。

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「辿り着く場所=画面のこちら側」説/『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(48話)の感想と『アウトレイジ ビヨンド』のラストシーンの考察

今週も鉄血のオルフェンズが面白かった。
そして今週も最終回予想が外れた。

最終回は「三日月さんを生体パーツとして取り込んだ火星極冠遺跡の演算ユニット・バルバトス、そのボソンジャンプ(強行突破)で瞬時に地球に移動した鉄華団とマッキーは、電子の妖精バエルの力によってアーブラウ内のシステムをハッキングしID書き換え成功!ブイ!」、コレで間違いない。
「ガンダム・バエル=ホシノ・ルリ」説/『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(47話)の感想と最終回予想 - 宇宙逃避航海日誌

さて、それはそれとして、今週のオルフェンズには二つの驚きがあった。

第一に、バエルさんが活躍したのだ。
これにより僕の「ガンダム・バエル=ホシノ・ルリ」説は脆くも崩れ去ってしまった。
とはいえ、ロト装備でスライム軍団とぶちスライム(うんのよさ999)相手に無双したに過ぎないので果たして本当に強いのかは謎である。

第二に、イオク様が活躍したのだ。
「お前たちは動いてはならん」と言いつつ、反撃の口実を作るためバエルに突撃するイオク様の成長したお姿に涙を禁じ得ない。
ちなみに僕は今週のオルフェンズをアパートの共用リビングのテレビで観ていたのだが、イオク様が突撃するタイミングで別のテーブルにいた外国人集団から大爆笑が起きた(偶然)。流石は世界に轟くイオク様である。

あとオルガが死んだ。
Vシネマの作法を踏襲して見事に死んだ。個人的には血まみれで立ち上がるときに煙草を咥えなかったことが不満だが、良い子の観るアニメだから仕方がない。

辿り着く場所なんていらない。ただ進み続けるだけでいい。止まんねぇ限り道は続く
オルガ・イツカ/48話「約束」

鉄華団と三日月サンを「ここではないどこか」に連れて行くために頑張り続けた彼が最後に辿り着いたのは「辿り着く場所なんていらない」という答えだった。

そんな彼の死にざまを観ていると、ふと「辿り着く場所=画面のこちら側」という式が僕の頭に浮かんだ。そして、その式が頭に浮かんだ瞬間、僕のなかで何故か『アウトレイジ ビヨンド』のラストシーンが鮮明な画として駆け巡ったのだった。

以下、まず『アウトレイジ・ビヨンド』のラストシーンに関する僕の解釈をまとめて、その後「辿り着く場所=画面のこちら側」を説明する。まだ最終回は未放映のためネタバレになるかもしれない。その点だけご注意を。

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「バレエ・メカニック」は最終回であり最終回ではない/『交響詩篇エウレカセブン』における植民戦争の考察

エウレカセブンの新劇場版『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の制作が決定した。「エウレカセブン」と「劇場版」の組み合わせを見て、脊髄反射的にクォーツ・ガンをブッ放してTV版以降をセブンスウェルしたい気持ちに駆られる皆様方もいらっしゃると思うが、まずは落ち着いて速報PVを見ていただきたい。

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殺す気か。
レイ&チャールズ機らしきKLF、デビルフィッシュの色違い、若き日のアドロック・サーストンなど、TV版の視聴者の心をくすぐるカットが随所に散りばめられており、否が応にも期待せざるをえない(肉塊になるハップさんのシーンがあれば完璧だったのだが…)。

僕はエウレカセブンという作品が大好きだ。どれくらい好きかというと、本作が話題になるたびに48話「バレエ・メカニック」を観返してはオイオイ泣いて『良い最終回だった…』と呟かずにはいられない病気に羅患しており、いまも目を真っ赤にしてこの文章を書いているくらいには好きだ。良い最終回だった…

ご存じない方のために書いておくと『交響詩篇エウレカセブン』は全50話の名作ロボアニメである。

「広がる世界で出会った君は、きっと失くした、もう一人の俺なんだ。例え、ここで世界が消滅しても。おめでとう、自分。おめでとう、俺。」
少女=運命と出会った少年は、「世界」を知るため旅立つ。新世代のための叙事詩が今、始まる。
「交響詩篇エウレカセブン」 | バンダイチャンネル

さて、お分かりの通り48話「バレエ・メカニック」は最終回ではない。
では、なぜ僕が48話の「バレエ・メカニック」を観て最終回のような余韻に浸ることができるかというと、本話が「甘酸っぱいボーイミーツガール」であるエウレカセブンの最終回だからだ。

エウレカセブンという作品は「甘酸っぱいボーイミーツガール」と「苦い植民戦争」の二つのテーマを少年少女の成長譚として描ききった作品である。したがって、本作には「甘酸っぱいボーイミーツガール」としての最終回と「苦い植民戦争」としての最終回の二つがあるのだ。

以下、甘酸っぱいボーイミーツガールの最終回として48話「バレエ・メカニック」、苦い植民戦争問題の最終回として50話(最終話)「星に願いを」を紹介し、最後に二段階の最終回が意味するところをまとめる。なおネタバレ注意。

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「ガンダム・バエル=ホシノ・ルリ」説/『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(47話)の感想と最終回予想

今週も鉄血のオルフェンズが面白かった。まさか追い詰められた若衆がIDを偽装して生き延びるという、攻殻機動隊闇金ウシジマくんを足して2で割ったような展開になるとは思いもよらなかった。

そんな今週のオルフェンズだが、唯一残念だったのは先週の最終回予想が外れそうなことである。

最終回は「アインと同じく阿頼耶識システムそのものとなったマクギリス(阿頼耶識システム TYPE-M)を搭載したイオク様が地球にバスター火星落とし」、コレで間違いない。
「マクギリス+イオク様=シャア・アズナブル」説/アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(46話)の感想と最終回予想 - 宇宙逃避航海日誌

なんだかイオク様が立派になってしまわれた。「無意味な戦いを選ぶつもりもない」とか「力に執着した者の行き着く最後を、この目で見届けたいのです」とか、その成長っぷりに涙(と一抹の不安)を禁じ得ない。

そんな驚きをもたらした今週のオルフェンズだが、結論から言うと、今回も僕は最終回の展開が分かってしまったのである。

ガンダム・バエル=ホシノ・ルリ」という式が成り立つのではないか。その式が頭に浮かんだ瞬間、「ガンダムとしては新しい終わり方」であり「辛いけど希望は残る」という鉄血のオルフェンズの最終回が、またしても僕のなかで鮮明な画として駆け巡ったのだ。

以下、まずは「ガンダムバエル=ホシノ・ルリ」という式を証明し、その上で僕の辿り着いた答えを書こうと思う。まだ未放映のため真実は(関係者以外)誰にも分からないが、今度こそネタバレになってしまうかもしれない。その点だけご注意を。

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超時空ヒーロー早乙女アルト/『劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜 & 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜』におけるヒロインの対比構造の考察

シェリル・ノームの新曲が出るらしい。相変わらずエロくて何よりである。

劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』と『劇場版 マクロスF 恋離飛翼サヨナラノツバサ〜』は個人的に非常に思い出深い作品だ。本作は僕が初めてネットに自分の感想を書いた作品なのである。もう当時のブログは消えてしまったが、パソコンをサルベージしたところメモが見つかったので、この機会に大幅に書き直して再びネットの海に放り投げてみることにした。

本エントリでは「なぜアルトはシェリルを選んだのか?」および「マクロストライアングラー仮説における本作の特異性」という二つのテーマで劇場版マクロスFの感想を述べる。以下、まずは本作における二人のヒロインの対比構造を明らかにすることで「なぜアルトはシェリルを選んだのか?」を分析する。次いでマクロス作品全体に通底するマクロストライアングラー仮説を紹介し、本作がマクロス作品の新たな地平を切り拓いたことを明らかにする。

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三者三様アクエリオン/『創生のアクエリオン』『アクエリオンEVOL』『アクエリオンロゴス』の見所解説

創聖のアクエリオン』ほど知名度に反して中身を知らない人間が多いロボアニメもないだろう。「一万年と二千年前から愛してる」でお馴染みの主題歌はアニソンの枠を越えて一般に浸透し、セクシーな女性が「あなたと合体したい」「気持ちいい」と叫ぶガンギマリなパチンコCMは全国の御茶の間とウブな青少年の股間に強烈なインパクトを与え、その脳内にアクエリオンの名前が刻まれることとなった。

しかし、そうしたアクエリオンを知る人々のなかで、果たして何人が本編を視聴したことがあるのだろうか。また、実際に『創聖のアクエリオン』を観た人のうち、次作の『アクエリオンEVOL』や『アクエリオンロゴス』まで観た人はどれくらい存在するのだろうか。僅かなデータから少なからず言えそうなのは、そもそも世の皆様方は初代アクエリオンを観ておらず、シリーズを重ねるたびに視聴者数が減少していったということだ。

初代 EVOL ロゴス
配信時の話数(EVOLは1話と2話を合わせて配信) 26 25 26
バンダイチャンネル:総再生数 188,882 62,565 9,887
バンダイチャンネル:総再生数(1話あたり) 7,265 2,503 380
バンダイチャンネル:お気に入り数 683 470 140
Dアニメストア:気になる登録数 8,152 5,812 4,770

※データは2017/03/11時点のもの

僕は悲しい。アクエリオンという作品が衰退して次回作が作られないことが悲しい。そして何よりも、世の皆様方がアクエリオンという作品を誤解していることが悲しい。

アクエリオンはSFロボットアニメではない。カッコいいロボットアニメでも、ましてや、お色気ロボットアニメでもない。そもそもアクエリオン三部作は各々が違うジャンルの作品だ。『創聖のアクエリオン』はギャグ漫画、『アクエリオンEVOL』は少女漫画、『アクエリオンロゴス』は少年漫画なのだ。

本エントリでは、世に蔓延する誤解を解くため、極めて個人的な感性でアクエリオン三部作を紹介しようと思う。できるだけネタバレはしないように書くつもりなので、安心して続きを読んでいただきたい。

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三島芳治の実験場/『レストー夫人』における「レストー夫人の劇」の考察

引っ越しのため部屋を整理していたら、三島芳治の『レストー夫人』を見つけたので読み返してみた。

レストー夫人 (ヤングジャンプコミックス)

レストー夫人 (ヤングジャンプコミックス)

僕は三島作品の魅力は「掴みどころがない」点にあると思っている。

もちろん細かく見ていけば、シンプルな線でありながら魅力的なキャラクター造形、切り口が独特すぎるSF要素、詩的な言語センスなど様々な要素に分解できるだろう。しかし、月並みな言い方だが、それらのパーツの集合がイコール三島作品ではない。そうした言葉で語ることによって抜け落ちてしまう、柔らかく繊細な雰囲気(に隠されたエッジ)こそが三島作品の魅力である。

何作かは無料で読めるので、ぜひ読んでみてほしい。掴みどころがないが、何かが心に残る。そんな作品ばかりである。

mavo.takekuma.jp

そんな三島先生の(おそらく)商業デビュー作が『レストー夫人』だ。以下、本作の概要を簡単に紹介し、「レストー夫人の劇とは何だったのか」というテーマで感想を述べる。

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