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宇宙逃避航海日誌

Space Run A-Weblog

Comedian Lord と Brave men Road/『ドキュメンタル』の感想

『ドキュメンタル』のシーズン2が終わった。いやぁ今回も素晴らしかった。僭越ながら出場された芸人の皆様やスタッフの方々に惜しみない賛辞を贈りたい。どうもありがとうございました。

そして例によってAmazonレビューが荒れていた。いくつか読んでみたが、やはり「一番面白い奴を決める」という宣伝文句がマズいんだよなぁと思った。

僕はこの番組が本当に「大好き」なのだが、そんなに「面白い」とは思わない。もう少し正確に言うと、いわゆる「芸」の面白さを求めて観るような番組ではないと考えている。

『ドキュメンタル』という番組は、福本伸行作品に登場するド畜生サディスティック大富豪の気分で観るべき番組なのだ。キンキンに冷えたビールを片手に、焼き鳥をうし…うし…しながら、人間が足掻く様を楽しむべきなのだ。

本番組を「一番面白い奴を決める」企画として観ることは、摩天楼ビリビリ綱渡りを「勇気ある人間を決める」企画として観るようなものである。だから「面白い人ほど笑うのでそういう人が脱落するルールはおかしい」のような批判は「最前列の人間が風よけになるので勇気ある人間ほど不利なルールはおかしい」と同じくらいナンセンスだと思う。そこは別にいいでしょ。生きて明日をつかむために足掻いて足掻いて泣きながら落ちていくのが面白いんじゃないか。金と名誉のために必死に笑わせようとする姿が面白いんじゃないか。

落ちたら即死だが進まねばならないという「恐怖」の極限に蛮勇や自棄や慈愛があったように、笑えば退場だが笑わせねばならないという「何か」の極限に悲哀や狂気、そして爆笑があるのだ。シーズン3も何卒よろしくお願いいたします。

ブラウン管の中のイヴァリース/『ファイナルファンタジーXII』の思い出

アーケード版DISSIDIAエクスデスが追加されたということで、早速キャラ紹介の動画を見たのだが、これまでの鈍足ガードカウンター特化はどこ吹く風、ガンガン動いて敵を屠る先生の姿に乾いた笑いがでた。普段は大人しいがキレたらヤバい理科教師じゃないか。

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そんな暴れ狂う先生の勇姿に呆然とし、動画の最後で「宇宙の 法則が 乱れる」がナレーションではなく御本人の台詞であったことに驚いていると、そのまま『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』の公式生放送に飛ばされた。ヴァンの顔が再生ボタンで隠れているあたりにスタッフの悪意と心意気を感じる。

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ぼんやりと放送を眺めていたら、なんだか懐かしくなったので、本作の思い出をつらつらと綴ることにする。

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ぼくのかんがえたさいきょうのあーるぴーじー/『ホヤウカムイ』の感想

RPGホヤウカムイ」をクリアした。プレイ時間は約80時間。いやはや蛇神*1の名に恥じぬ恐ろしいゲームであった。

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ここは惑星「ノーラ」。三つの月を衛星として持つ地球よりちょっと小さな星。地球と似ているようで割と違う気がしないでもない環境を持つ色々な生き物が住んでいた惑星である。
数十年前のこと、その惑星「ノーラ」に「M.L.C」と名乗る者たちが異次元から侵略してきた。「M.L.C」は恐るべき力で、惑星「ノーラ」の世界各国を襲撃。そしてノーラのおよそ9割を掌握してしまった。 大気は濁り、緑豊かな森が砂漠へと変わる。生き物は飢え、汚染されたガスが空を覆い尽くす。生きる気力を飲み干す、渇きの大地。無慈悲にゆっくりと色褪せる詰んだ世界。 ようこそ、祈り届かぬ惑星「ノーラ」へ。
……以上の設定を微妙に活かしたり活かさなかったりで主人公をお家に帰す為にチーターや鈴虫などの個性的な仲間をランダムで召喚したりして塔を登るごく普通のシンボルエンカウントのターン制RPGです。
ホヤウカムイ4.1[フリーゲーム夢現]

*1:アイヌに伝わる蛇神で、洞爺湖など湖沼の主とされました。名前のホヤウは蛇、カムイは神を意味する言葉です。ホヤウやオヤウカムイともいい、神名はラプシヌプルクル(翅の生えている魔力ある神)、他にはサキソマエップ、サクソモアイェプ(夏には言われぬ者)という呼び名もあります。その姿は翼をもつ蛇で、胴体が俵のようで頭と尾は細く、体色は薄い墨色をしています。尖った鼻先は鑿のような役割を果たし、大木を伐り倒します。また常に悪臭を放っており、近寄っただけでも皮膚が爛れたり焼け死んでしまったりするといわれています」(出典:ホヤウカムイ : 【妖怪図鑑】 新版TYZ

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『アナザーエデン 時空を超える猫』のガンダムUCの原作再現が素晴らしかったという話

スマホRPG『アナザーエデン 時空を超える猫』が4月12日にリリースされた。

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主人公アルドくんの声優がガンダムUCのバナージくん役ということで、ただそれだけの理由でプレイしてみたのだが、これが非常に面白かった。まず「殺された未来を、救けに行こう」というパンチラインに心を奪われ、自分がそれほどスマホゲーをプレイしないこともあって、月並みな言葉だが「これが無料で良いんですか?」というクオリティに驚き、買い切り型ゲームに引けを取らない完成度に舌を巻いた。

…のだが20章の時点でアンイストールしてしまった。

ガチャ収益モデルの宿命か、ストーリー展開で仲間になる主人公御一行は軒並み星3キャラ(最大は星5)であり、性能が非常に微妙なのだ。いわゆるガチャゲーほど格差はないものの、本作においてもランク差は歴然たるカーストとして存在しており、具体的にはレベル上限・ステータス上限・スキル性能の三点が門前払いトライアングルを形成している。もちろんクラスチェンジ(ランクアップ)は可能なのだが、それに必要な素材の収集効率が激渋であり、通常プレイでは全く集まらない。また、当然ながら主人公御一行はガチャで排出されないので、運良くクラスチェンジすることもない。可能性はゼロではないが実質ゼロ。全く関係ないけどアクセンチュアのSEが脳裏をよぎった。私はコンサルタントにはなれないの。バナージ…悲しいね。

トーリー演出の出来が良いのが逆効果で、その結果、ボス戦で威勢良く啖呵を切る主人公御一行、ただし闘うのは別メンバーという、何ともアレな状況が発生してしまう。スパロボ的には「戦闘のプロ」そのものなんだけどね。なんかアーガマのブリッジで叫んでる人がいるよ。

ただ、本作は素晴らしい完成度であった。

具体的にはガンダムUCの原作再現が素晴らしかった。

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空白の春/『鉄血のオルフェンズ』(50話:最終回)の感想と総括

鉄血のオルフェンズが終わった。よく出来た最終回だった。

…よく出来た最終回だったとは思うのだけど、コレは「オルフェンズの最終回」ではないな、というのが正直な感想だ。とても綺麗に物語の幕は下りたのだけど、これまでの49話を経ての50話ではなかった。オルフェンズの概要を知っている人が書いた最終回という印象だった。

この違和感の正体は、後半パートで「世界の結末」を描いてしまったことと、クーデリアが「革命の乙女」ポジションに返り咲いてしまったことの二点だと僕は考えている。以下、この二点について「世界の結末」と「革命の乙女」というテーマで僕の感じた違和感を考察する。今更だがネタバレ注意。

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『四月馬鹿達の宴』の作者の新作『フシギセブン』の体験版レポ

今年も各企業のエイプリールフールネタが面白かった。こうした「大人が真面目にフザける」というイベントが定期的に開催されるということは、個人の好き嫌いはあるにせよ、まだ日本が精神的に豊かな社会である証だと思うので、各企業は来年も是非がんばっていただきたい。ちなみに僕は「現場メンバーの誰ひとりとして乗り気ではない会社の作ったエイプリールフールネタ」*1という地獄の産物が大好物なので、そんなに楽しくなかった方々も何卒よろしくお願いいたします。

さて、エイプリールフールといえば『四月馬鹿達の宴』*2だろと久しぶりに作者のホームページを覗いてみたところ、なんと新作『フシギセブン』(の体験版)が公開されているではないか。引越しのゴタゴタでWindows機が手元になかったが、待てずに急遽Macで環境を整えて*3プレイしてみた。本エントリはそのプレイレポである。

*1:広告代理店の巧みな営業トークに乗せられたのか、重役が花粉でトチ狂った結果なのか、我々に理由を知る術はないが、地獄は確かに存在するのだ。

*2:西高科学部製作のフリーゲームミヒャエル・エンデの名作『モモ』をモチーフにしたパンクでロックなRPG。絵本的な可愛らしさとパンクロックが絶妙に調和した傑作。独自の成長システムや、初期ステータスでクリア可能なバトル設計、豊富なサブイベントなど、自由度の高さも素晴らしい。

*3:Wineを使用。参考:http://yosilove.blogspot.jp/2012/09/macwinerpg.html

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マクギリスはガンダムWの世界の住人だったという話

「アグニカポイント」について書かれたエントリが面白かった。

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なるほど。と何度も頷きながら読んだのだけど、マクギリスが本当にアグニカ原理主義だったかというと少し疑問が残る。

僕はマクギリスの軸は2つあると思っていて、1つが「群れてるアイツらを見返す」という陰のエネルギーで、もう1つは「絶大なチカラを行使したい(パワー最高)」という陽のエネルギーだ。だから、アグニカ信者というのはモチロンそうなのだけど、ではアグニカ・カイエルの英雄譚が「最後はセブンスターズの友情パワーを集めて怨敵モビルアーマーの首魁を倒しました」という物語であれば、マクギリスという人間は入信しなかったと思うのだ。別にマクギリスは英雄になりたいワケではなくて「ギャラルホルンを追われた俺が、アリアンロッド艦隊の司令を一人で葬る」みたいな状況にエクスタシー感じちゃうだけだと思う。だから、結果としてはアグニカ信者なんだけど、それは単に彼の2つの軸に(彼の思う)アグニカの物語が合致していたにすぎない気がするので、彼をアグニカだけで語るのは違和感がある。まぁ、結局はアグニカの物語が何かわからないと何も言えないんだけど。

じゃあ自分が「アグニカポイント」の代わりに何の指標でマクギリスを表そうかと考えてみると、それは「歌舞伎ポイント」ではないかと思った。歌舞伎みたことないけど。

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